姉さんの家がある世田谷区では、UGG通販成城の近くを流れる野川は水がきれいだから、魚が住んでいるかもしれないよ」
「行ってみようかな」
「そうしたら、懸命に生きている姿を水の中に見つけることができたときって嬉(うれ)しいよ。得にもならないことをやっても、それを喜んでいる人の姿を見るのがまた楽しいのかもしれないよね。を放流する人の気持ちって。世田谷区にもそうした人がいるのかしれませんね。実は僕もそんなことをやった時期があるよ。渡良瀬の入江で泥鱈を網で捕ってきては家の近くの小川に何回もさ。aggまた友達に金魚をたくさん飼っている人がいて、卵を産ませて稚魚を育て、成魚を売っていたんだよね。その売れ残った金魚をもらってきては自分では飼わずに、小川に放流していたさ。でもね、都会と違って田舎町ではそんなことには大人も子供たちもさ、見向きもしなかったよ。結局自分だけで楽しんでいただけだったさ。放流した魚たちがその後どうしているかはまつたくわからないけれど、これは自分だけの想い出だよ」
「私、なおさら行きたくなっちゃったな」
「泥の中にさ、落っこちないでよ。川縁は上手に歩かないと何も捕れないで、衣服が泥だらけに
［なるどころか、靴を泥の中に置き去りにすることになりかねないから。シープスキンブーツそんな
らそれこそ、怖ーいご両親に怒られるのは目に見えているから。それにしても農家の人、吃驚(びっくり)しただろうなあー。藁を使おうとさ田圃(たんぽ)に取りに行ったら灰に化けていたんだもの。
このどいつがやったんだ、とかんかんに怒っただろうなあー。怒り狂った姿が目に浮かぶよ。いくら怒ったって灰が相手では返事は無いし」
「おじさんてさ、ひどいことやったのね，大人を相手に」
「子供の頃はね。その頃は、俵(たのら)、草履(ゆコリり)、草軽(わらじ)、蓑(みの)、荒縄(あらなれ)、それに夙(かユず)などはすべて藁で作っていたから、農家にとってその藁は大変な貴重品だった。お姉さん、今僕が言ったものわかる？俵や臥はお米や麦を入れる藁で作った袋。草履は藁で作ったサンダル。草鮭は藁で作った靴。蓑は藁で作った合羽。荒縄は藁で作ったロープのことだよ」
「私、草履や草鞍、それに蓑などは、テレビで時代劇を観て知っています。実物を履いたり着たりしたことなんかはないけど」
「時代の違いだからそれは仕方ないよ」
「おじさんはさ、蓑を着て草鮭を履いて、ugg ブーツそれに三度笠を被ってね、歩いたことってあるの？」
「そんなことはね、しょちゅうやっていたよ。あるとき、その恰好で歩いていたら、前から人が来たものだから「しめた一と思い勝手にさ、その人にぶつ言って行っちゃおうとしたらさ、「こら、俺だぞ一って。聞いたことのある声だなと思ってよく見たらその人、近所のおじさんだったんだよね。「どうしてそういうことをやるんだよ」とお父さんにさ、しこたま怒られちゃったさ」
「おじさん、その「しこたま」って何のこと？」
「散々に、ということだよ。お前はそこらを歩けないようにしてやる、と言ってさ家の入口のところにあった先祖からの杏(あんず)の大木に荒縄で縛り付けられちゃったよ」
「それでさ、どうなったの」
「しょんべん漏らしちゃった」
「おじさんかわいそう」
「お母さんがね、そっとその荒縄を鰹いてくれたまでは良かったけれど、ズボンに地図を榔いちゃったでしょう。細長ーいのをね。「こんなところにそんなもの描くんじゃないよ」とお母さんにも怒られちゃった。そのお父さんもお母さんもいなくなってしまい、怒ってくれる人がいなくなるとさ、これがまた淋しいんだよね。お姉さんは幸せだな。だってさ、毎日怒ってくれる人が二人もいるんだもの。羨ましいけれど他人様の家庭のことだから仕方ないさ。できるものならあ一なたと代りたいけれど、そんなこ
「木に縛り付けられているところを、誰かに見られたの？おじさん」
「そりゃーそうさ、道端だったもの。どうしたの？なんて言われたってさ、カッコ悪過ぎて返事ができず下を向いたままね、顔を上げられなかったよ」
「お父さんやお母さんに怒られているうちは良かったけれどおじさん、アグ ブーツ幾日か経って校長室に呼ぴつけられてさ、ご両親の前で散々に絞られたんでしょう。粋(ロへ　)なお兄さんも項垂(ヒエへゆロ　)れちゃってかわいそうに」
「それがいまだにね、お答(ヒが)めのお達しがございません」
「だっておじさん、火付けも当り屋さんもやったんでしょう」
「人家からうんと離れた田圃の真ん中だったし、吹雪で遠くは見えにくかったから、誰も気が付かなかっただろうよ。誰もこないうちに逃げ切ることができて良かったなあー」
「それ良くありません。おじさんなんてこと言うの、勝手なのね」
「火消しを煩(わずら)わさなかったが、農民の貴重品を灰にした罪により、八丈への島流しを申し渡す．引っ立てい。